医療コラム 最新の豊胸 脂肪幹細胞

脂肪 細胞注入の 定着率 を上げる4つの方法

脂肪細胞注入の定着率を上げる4つの方法

北条先生

<この先生が監修しました>
北條元治先生

株式会社セルバンク代表取締役。
東海大学医学部非常勤講師。
信州大学附属病院勤務を経てペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。
帰国後、東海大学にて同研究と熱傷治療に従事。2004 年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンクを設立。
著書に『ビックリするほどiPS細胞がわかる本』(台湾版、韓国版も)『美肌のために必要なこと』他多数。

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定着率 の低さが 脂肪注入 の課題

定着率の低さが課題
脂肪(細胞)注入の一番のネックはその生着率(定着率)の低さです。

現在は技術も向上して、脂肪注入の定着率も上がっていますが、それでも15~20%前後と言われています。

参考:従来の脂肪注入との違い|脂肪再生医療|株式会社セルバンク (cellbank.co.jp)

これまでの 脂肪(細胞)注入

初期の脂肪注入の方法
脂肪(細胞)注入(移植)は1908年にHOLLANDER医師が乳房の部分的な修復を目的としてブロックで採取した自家の脂肪組織を移植したのがはじまりです。

その後、1980年中盤以降に脂肪吸引術が確立したことにより、脂肪(細胞)を用いた注入・移植が美容医療で用いられるようになりました。

初期の 脂肪 移植 ― 低い 定着率

初期のブロックによる脂肪移植は、血流が再開されずほとんど生着しませんでした。

一方、脂肪吸引により得られた脂肪(細胞)注入はブロックによる脂肪組織移植よりも成績は良かったものの、時間が経つと脂肪細胞が体に吸収されるなど生着性が安定しませんでした。

また、脂肪細胞を注入する際に一か所に大量に注入したりしていたので、石灰化したり、瘢痕などが見られるケースもありました。

生着性の不安定さと、脂肪細胞を得るために脂肪吸引が必要となるなど体へのリスクが少なくなく、アメリカの米国形成外科学会は脂肪注入をすることに当時は反対していました。

ですが、脂肪吸引の始まった80年代は、脂肪層にダイレクトにカニュレを挿入するドライ法と呼ばれる方法で脂肪吸引が行われていたため、体に対するダメージも大きく、得られる脂肪細胞の多くもダメージを受けてしまっていました。

現在の 脂肪吸引

しかし、現在の脂肪吸引は、あらかじめ脂肪層に、生理食塩水と、止血剤、それに局所麻酔剤を加えた液体を大量に注入しておくチュ-メスント法と呼ばれる脂肪吸引術が普及しました。

チュ-メスント法は、ドライ法に比べ、体に対するダメージはもちろん、得られた脂肪細胞そのもののダメージが格段に少なくなりました。

こういった医療技術の向上や、施術者の技術も確立されて、しこりや石灰化のリスクも低くなっています。

術後も良い結果が見られるようになり、現在は脂肪注入が見直され、日本形成外科学会では公的保険制度に脂肪注入を組み込むべきであるという意見書が毎年厚労省に出されるまでになっています。

参考:文責:東海大学医学部形成外科非常勤講師 北條元治

 

 脂肪 の 定着率 を上げるには

医学根拠に基づいた脂肪注入の定着率を上げる方法は、具体的に4つあると言われています。

脂肪 から「不純物」を取り除く

脂肪細胞から不純物を除去

採取した脂肪細胞には、血液・水分・油分・ダメージをうけ死滅した細胞、脂肪(oil)などの不純物も含まれます。

不純物を含んだ脂肪細胞を注入しても血行が再開されず、細胞壊死や、不純物によるしこりになる可能性が高いです。

主な不純物である血液と脂肪を取り除いて脂肪細胞密度を高めた状態で移植(注入)することでリスクを最小にすることが出来ます。

採取した脂肪から「不純物」を取り除く方法として、ピュアグラフト・コンデンスリッチがあります。

脂肪 幹細胞を多く含む 脂肪 細胞が必要

脂肪幹細胞

様々な文献で「幹細胞が多ければ定着率が上がる」と立証されています。

脂肪幹細胞には、新しい脂肪細胞や新しい血管を作り出す働きがあります。

したがい、脂肪幹細胞がより多く脂肪細胞と共に移植されれば、幹細胞が脂肪の組織を維持するために、細胞分裂で自身の分身を作り、そして血管や脂肪細胞などの他の組織に変化します。

幹細胞を脂肪細胞に混入することで注入された脂肪に酸素や栄養がわたり、定着率が高くなるのです。

実際に脂肪幹細胞を加えた脂肪で注入すると、定着量が5倍近くになったという論文もあります。

脂肪幹細胞
脂肪 由来 幹細胞(ASC)って何?

再生医療で用いられる 幹細胞 の概要と 脂肪幹細胞 の役割と 豊胸手術 で用いるメリットを北條医師が解説。

脂肪 由来幹細胞を含む豊胸術

この幹細胞の働きを通じて、脂肪(細胞)注入のネックである生着率の低さを克服する豊胸手術が再生医療から生まれた、脂肪由来幹細胞を含む豊胸術です。

なので、脂肪幹細胞を含む脂肪注入は、従来の脂肪注入が更に改良され、発展した豊胸術と言えるでしょう。

脂肪幹細胞を含む豊胸術として、『セルチャー』、『CAL』、『セリューション』、『セルバンクの脂肪由来幹細胞の豊胸術』があります。

参照:Enrichment of autologous fat grafts with ex-vivo expanded adipose tissue-derived stem cells for graft survival: a randomised placebo-controlled trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24075051/

 

幹細胞の数がカギ

脂肪幹細胞が増えれば定着率が上がる

多くの論文で提唱されているように、幹細胞の数が多ければ多いほど生着率が高まります。

逆に幹細胞の数が少ないと注入した脂肪細胞も体内に吸収される可能性が高くなるので、定着率が低くなり永続的なバストアップの効果は望めません。

数ある豊胸手術でも「幹細胞」を謡っている豊胸手術の中には、実際は幹細胞の総数は劇的な変化がないものもあります。

医学的根拠に基づいて、本当に幹細胞の効果がある豊胸を希望するのであれば、まずは実際に注入される幹細胞の数に着目したほうが良いでしょう。

少数の幹細胞よりはより多い数のほうが幹細胞の数が多くなる豊胸術を選ぶことで、高い定着率を見込めます。

脂肪 は直径2mm以下で注入すること

脂肪注入する際にはブロックで移植するのは現在では推奨されていません。

手術の際に塊で脂肪細胞を注入すると、せっかく入れた脂肪細胞に血液から栄養が十分に届かず、一部の脂肪細胞が死んでしまったり石灰化などのリスクが生まれてしまいます。

なので、注入した脂肪細胞がちゃんと生きていくには、塊ではなく細かく細かくバストに注入する必要があるのです。

塊で注入せずに多層から直径2ミリ以下で細かく注入する方法は、米国のシドニー・コールマン医師によるコールマン・テクニックと呼ばれています。

多くのクリニックではこの技術を基に、ヌードルインジェクションという方法で麺のように脂肪を細く、こまかく複数の箇所から注入します。

参照:https://www.colemanlipostructure.com/wp-content/themes/pss-theme/publications/Plastic-and-Reconstructive-Surgery-2006-Coleman.pdf

 

一度に大量に 脂肪 細胞を注入しない

例えばAカップの人がFカップになりたいからと一度に大量の脂肪細胞を注入しても良い結果は生みません。

バケツにも水が入る容量があるように、バストの容量のスペースには限りがあります。

皮膚の伸び具合、バストの幅などを考慮する必要があるのです。

バストの許容量以上に脂肪を詰め込もうとすると、密度が高くなりすぎて血行が行き渡らずに、せっかく移植した脂肪細胞が壊死してしまいます。

結果的に定着率が上がりません。時には壊死細胞や不純物がしこりになります。

定着率を高めるには、注入した脂肪細胞に栄養が行き渡るように適度なボリュームで注入することが大切です。

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E8%83%B8%E6%89%8B%E8%A1%93

 

まとめ

脂肪注入の定着率を上げる4つの方法

脂肪(細胞)注入の豊胸の際に、細胞の定着率を上げるために必要な上記1)~4)の4つの要素は、医学根拠に基づいたどれも欠かすことが出来ない要素です。

脂肪注入の豊胸を行う多くのクリニックでは、コールマンテクニックを応用した技術や、コンデンスリッチ・ピュアグラフトなどで脂肪の不純物を取り除く方法が導入されています。

定着率向上の鍵は、医師の技術的な要素・脂肪の加工方法・注入容量など色々な要素が必要になります。

また、「幹細胞を含む脂肪細胞」も大切な要素の一つです。

脂肪注入の効果を維持するには全てが不可欠です。

豊胸手術は種類も多く、施術方法も多様なので全てを把握するのは時間がかかります。

豊胸手術後に後悔しないためにも安易に決めずに、長期的にどの豊胸術が自分の身体にとってベストなのかを十分検討して頂きたいと思います。

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